死亡通知・喪中欠礼はがき、寒中見舞いの基礎知識

死亡通知の故人名に「儀」を付けるのはなぜ?

  • 故人のお名前の後につけているこの「儀」は身内の方のみが使用できるものです。
    死亡者名で無くても身内の事を説明する時には使う文字で「○○のこと」「○○に関すること」という意味の丁寧語として使われています。
    例えば、身内の鈴木花子さん(仮名)が亡くなったの場合で考えれば、通常の手紙などに書く場合は「鈴木花子が」なのですが、亡くなった場合だけは、丁寧語として「鈴木花子 儀」とお書きします。
    訃報文や看板を「鈴木花子 儀 葬儀」「鈴木花子 儀 式場」とするのは、身内(遺族)が作ったものだからこそなのです。

死亡通知と喪中欠礼との違い

  • 死亡通知と喪中欠礼を混同していらっしゃる方が多くいらっしゃいますが、お知らせする相手が違うため、内容は全く違います。ご注意ください。
 死亡通知喪中欠礼
目的の違い故人が亡くなった事を知らせる近親者で1年以内に不幸があり
喪に服していることを知らせる
送り先の違い故人の関係者 差出人(自分)の関係者
差出人名代表の方のお名前個人名
(ご夫婦の連名もOK)
  • <注意!>
  • もし、11月など喪中欠礼ハガキを出す時期に不幸があった場合でも、上記の通り、お知らせする相手が違いますので、死亡通知と喪中欠礼は別々に作製し、それぞれにお知らせください。まとめて同じ内容でそれぞれのお相手に知らせることはありません。
  • 印刷用紙は、共に私製はがきをお薦め致します
    郵便局で販売している通常はがき(官製はがき)は既に切手代が含まれている葉書ですので、一番手間のかからないお知らせ方法となります。
    私製はがきに切手をご自分で貼って、心を込めてお知らせしている事を伝えましょう。
    また、私製はがきには挨拶面に絵柄の入っている用紙をご用意しておりますので、お好みのものをお選びいただけます。
    もちろん封書でも大丈夫です。はがきより丁寧です。ただ、喪中欠礼は私製はがきで十分だと思います。

死亡通知とは

  • 様々なご事情で、故人の友人・知人など、本来葬儀にお呼びするべき方を葬儀にお呼びしなかった場合に、故人の関係者に死亡したことをお知らせする挨拶状です。
  • いつまでに知らせる?
    特に決まってはいませんが、あまり遅くならないうちにお知らせしましょう。
  • 誰に知らせる?
    故人のご友人や知人など、本来葬儀にお呼びすべき方々にお出しします。
  • 死亡通知の内容
    誰がいつ亡くなったかを伝え、生前お世話になったお礼、葬儀に呼ばずご通知が遅くなったことのお詫びを書きます。
    私的なお手紙ですので、内容的には特に決まりはありません。故人について伝えたいことがあればオリジナルの文章にて作製しましょう。
    注)『逝去』は他人の死を敬っていう語ですので、身内には使いません。
      『永眠』や『死去』などをお使いください。
      急になくなった場合の『急逝』は使用しても大丈夫です。
  • 死亡通知の書き方
    • 頭語結語や時候の挨拶等はお入れしないのが通例です。
    • 縦書きで、行頭の一字さげはせず、句読点を入れないのが一般的です。
      (古くは筆で書簡を書いたことからの慣わしだといわれています)
  • 差出人は?
    ご通知をお受けする方にとって、差出人は直接の関係者ではありませんので、ご家族での連名や『親族一同』など入れる必要はありません。
    故人が亡くなったことを知らせるのが一番の目的ですので、代表の方のお名前だけでお出しするのが通例です。
    また、会葬礼状ではないので『喪主』も入れません
    差出人住所もきちんと書きましょう。宛先不明の場合、郵便物が迷子になってしまい、どなたにご連絡が行っていないか解らなくなり、トラブルの原因にもなりかねません。
    差出人は喪主である必要はありません。通知を受け取った方から連絡を頂いた際、対応する方のお名前ご住所等をお入れするのがよろしかと存じます。故人住所等、連絡を受け取れない住所では意味がありません。
  • 故人宛の年賀状を受け取ったら
    正月飾りのある松の内を過ぎてから寒中見舞いの形にして、挨拶状を出しましょう。
    寒中見舞いには、年賀状のお礼とともに、いつ亡くなり、旧年中にお知らせをしなかった事へのお詫びを伝えます。

喪中欠礼はがきの豆知識

喪中はがきとは、近親者で1年以内に不幸があった場合に「1年間は喪に服しますので、慶事を避けその年の年賀状は出しません」ということを知らせる、年賀欠礼の挨拶状です。
さらに正月の年始挨拶も避けることになっており、それをお知らせするためのものでもあります。

  • いつまでに知らせる?
    一般的には、喪中はがきは相手が年賀状を書く前、12月の上旬には先方へ到着するように出します。
  • 誰に知らせる?
    一般的には、年賀状をやり取りされている方全員に送られる事が多いようです。
    逝去を知らせる事で余計な気遣いをさせたくない相手や仕事関係者には、喪中とは別に年賀状を用意する方法もあります。
    会社名で出す年賀状は、たとえ社長が喪中でも欠礼しないのが普通です。
  • 喪中はがきの内容
    喪中はがきは、近親者に不幸があり年賀欠礼することを前もってお知らせする挨拶状ですので、その他の内容(近況報告・特にお祝い事など)は書かないのが基本です。
  • 喪中はがきの書き方
    • 時候の挨拶などの前文は抜きで、まず喪中のために年賀を欠礼する旨を伝えます。
    • 誰がいつ亡くなったかを伝え、お世話になったお礼、変わらぬお付き合いを願う言葉を書きます。
    • 行頭の一字さげはせず、句読点を入れないのが一般的です。
  • 年賀状を受け取ったら
    喪中に年賀状が届いた場合は、正月飾りのある松の内(元旦から1月7日もしくは15日まで。地域により異なります)を過ぎてから寒中見舞いの形にして、挨拶状を出しましょう。
    寒中見舞いには、年賀状のお礼とともに、喪中で年賀欠礼した事、年賀欠礼のお知らせをしなかった事へのお詫びを伝えます。
    • 寒中見舞いを出す(年が明けてから)
      松の内明け〜立春(節分の翌日)ごろまでに「その後いかがお過ごしですか」というお伺いのはがきや手紙を出します。
    • 葬儀不参のおわびを出す(すぐに、または年が明けてから)
      逝去を喪中欠礼で初めて知ったものの、お悔やみをしていないのが気がかりな場合は、あらためて手紙を出します。
      場合によってはお花や線香を送りますが、お香典として現金を包むのは時期的に遅すぎるので避けます。

寒中見舞いはがきの豆知識

  • 寒中見舞いとは
    寒さが厳しくなった時期にご縁のある大切な方々に出す挨拶状のことを言います。
    安否を気遣うだけでなく、さまざまな挨拶状として使います。

    「寒中」とは二十四節気の「小寒(しょうかん)」と「大寒(だいかん)」にあたる期間です。

    その寒中に相手を見舞う書状なので「寒中見舞い」となります。
    松が明けてから、大寒の最後の日である「節分」までに送る慣わしがあります。
    (2023年の暦では、小寒は1月6日、大寒は1月20日、節分は2月3日)
    一般に年賀状は松の内(2023年の暦では1月7日)までとすることが多いので、寒中見舞いは1月8日から大寒の最後の日である「節分」の2月3日までに送りましょう。
    松の内は地域により異なります。(関西は1月15日まで)
    ちなみに・・・
    「節分」が過ぎれば「立春(りっしゅん)」となります。立春からは暦の上で春になり、
    春になってもまだ寒いので「余寒」となります。
    この「立春」以降に見舞う挨拶状は「余寒見舞い」といいます。
    立春を境に、「寒中見舞い」として出すか「余寒見舞い」として出すかが変わります
  • 寒中見舞いの様々な用途
    様々な理由で年賀状を交換できなかった相手に、年頭の挨拶代わりに寒中見舞いを出すことも多いです。

・一般的な季節のご挨拶として、寒中に相手の健康を気遣う
・先に年賀状を頂き返礼を松の内に送れなった方へ、年始の挨拶とする
・喪中の方で年賀状を交換できなかった方へ、年始の挨拶とする
・喪中と知らずに年賀状を出してしまった方へ、お悔やみとお詫びを兼ねる
・こちらの喪中を知らず年賀状をくれた方へ、喪中の報告とお詫びを兼ねる

以上、ご参考になれば幸いです。